新スマホ半額プログラムに注意
最近、ソフトバンク、auともに新しいスマホの半額プログラムを発表しました。今回、回線契約と端末を分離したところはよかったと思います。ただ、100日SIMロックのなど、回線の囲い込みは問題は別として、この端末単体の契約も悪用すれば消費者に不利益を負わせることができるので注意したほうがいいと思います。
半額プログラムの内容を大まかに説明すると、端末を購入時に、月に390円払って半額プログラムに加入すれば、2年後に、新しい指定機種の購入と同時に古い端末を返却することで、最初の端末の購入時の半額が戻ってくるというイメージです。(実際には48ヶ月分割で購入するのが条件で、返却後の支払いが免除される形のようです。)
以下フィクション
さて、仮にあるAさんは新型のスマホが欲しくて、販売店にやってきました。ほしいスマホは10万円で、ネットで見たSIMフリーの値段と同じでした。Aさんは2年後に新しいものに買い換える予定で、おそらく2年後に中古ショップで4万円で売れると予想していました。ここで、月に390円払って半額プログラムを利用するか少し考えました。月に390円払ったとしても、半額プログラムを利用した方がお得なので、Aさんは半額プログラムを利用して販売店から10万円で購入することにしました。
2年後、Aさんは半額プログラムを利用して買い替えようと、販売店にやってくると驚きました。事前にネットで見ていたSIMフリーの10万円より8千円値上げされていることを知ったからです。ここでAさんは悩みました。事前に調べておいた中古ショップの買取価格もAさんの予想通り4万円でした。半額プログラムはあきらめて中古ショップに売却して、SIMフリーをネットで購入するのと、半額プログラムを使って販売店から割高な端末を購入するのを比べました。納得はいきませんが、後者の方がまだましなので、結局販売店から購入することにしました。
Aさんは常に最善の選択肢を選んだはずなのに、最適な➂ではなく結局➀に行きついてしまいました。この結果、Aさんは7,360円分損して、キャリア側が7,360円分得することになったのです。
半額プログラムには返却時に、キャリア側が価格を意図的に操作できる指定機種の購入が条件に入っているため、消費者側はなにもすることはできません。なので、一方的に不利益を負わせるこのが可能な契約は注意したほうがよさそうです。とはいえ、大手キャリアがそこまでブラックなことはしないと思うので、実際に問題にはならないかもしれません。また、実際半額プログラムを使った方がお得になるケースも十分にあるはずです。
ドコモのように返却時に指定機種の購入が条件に入ってなく、端末を返却さえすればお金が戻ってくるというのであれば、消費者に意図的に不利益を与えることはできないはずです。
iPhone 価格を比べてみる
実際、SIMフリーに比べてキャリアの販売価格は高くなっています。新機種のiPhoneの発表に合わせて、旧機種のiPhone 8 などのSIMフリーの価格が大きく下がりました。ドコモ、ソフトバンクについては合わせて値下げした後の価格のようですが、auに関しては現時点で値下げはまだのようです。ただ、値下げした後といえ、iPhone8 に関して、ソフトバンクのはSIMフリーより2万円以上高いのに対し、ドコモは3千円程度となっています。やはり半額プログラムの「ひずみ」は大きい感じがします。
キャリアは今まで「定額性」使って、儲けのポイントを作ってきたというイメージです。最初は「通話の基本料」で、次は「通信の定額料」、だったところ、今回はもしかしたら「端末料」に儲けのポイントを移してきているのじゃないかと思ったりもします。