マイナンバーカードのポイントカード化ではなく連携化?

2019年09月04日に作成
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今週、 「マイナンバーカード取得者にポイント付与 「○○ペイ」と連携、20年度導入へ 2019年09月03日 ITmedia」 というニュースが出ていました。

詳細が決まってないので推測ですが、おそらくこんな感じになるかと推測されます。

➀ 新たに「マイキーID」を作成し、マイナンバーカードの「電子証明書」と連携させる

➁「マイキーID」と「〇〇ペイ」を連携させる(おそらく)

➁「〇〇ペイ」に2万円チャージすると25%分の5000円が国より付与されて、25000円分の残高が増える

➂ 店舗で通常の「〇〇ペイ」の利用と同じように支払いする

  • 連携の確認は入金時だけでいいので、店舗支払い時はマイナンバーカードは不要

  • マイナンバーカード内の「電子証明書」には「マイナンバー」自体の記載はないので、「電子証明書」からマイナンバーが流出することはない

〇〇ペイはPayPayやLINE payなどをイメージしているのだと思います。「マイナポイント」と名前はついていますが、おそらく「〇〇ペイ」のチャージ残高と同じように1ポイント1円として、現金同様に使えるのではないかと思います。

デジタル・ガバメント閣僚会議「マイナポイント」を活用した 消費活性化策 資料 imgae

元々マイナンバーカードをポイントカードとして使うような話があったと思いますが、ポイントカードのように不特定な場所で使うというのは、マイナンバーや個人情報が流出するリスクが高まるので、できれば使いたくないと思っていました。マイナンバーカードを使うのは、公的に身分証明が必要な場所(役所や病院など)に留めるべきだと思います。今回、支払い時は民間の〇〇ペイを使うため、マイナンバーカードを提示する必要がなく、良かったと思います。

今回、変わったと思うポイントとして、対象者の管理と決済部分を分離したことが大きいと思います。10月からのプレミアム商品券は、自治体が対象者を管理し、商品券を発券しています。このため、発券、配布、各店舗から回収のコストなどは大きくなります。今回電子化されただけでなく、各店舗での決済には民間の〇〇ペイを使うため、政府は対象者と決済業者のみを管理すればいいので、コストは小さくなるはずです。

とはいえ、マイナンバーカードの取得が必須なだけでなく、現状、電子証明書を使うにはICカードリーダもしくは対応スマートフォンが必要になります。また、セキュリティが強力な電子証明書を使わずに、IDとパスワードの1段で認証できるシステムを作ってしまうと、7payのようなことが起こりかねません。

現状、例えばクレジットカードなどで入会ポイントが5000ポイントみたいなキャンペーンがよくありますが、そのために全員がそのカードを作るわけではないので、これだけでマイナンバーカードが一気に普及するかは微妙なところだと思います。

連携認証の今後

ネットの世界で1人1アカウントを保証するのはなかなか難しいと思います。メールアドレスでは1人が複数アドレスを持つことは簡単で、携帯番号のSMS認証でも複数IDを持つことは不可能ではありません。1人1アカウントが可能であれば、掲示板やブログのいわゆる「荒らし」対策は簡単で、その他、公平な投票やアンケート、抽選なども容易になるはずです。

マイナンバーカードは究極の個人情報のようなイメージですが、「利用者証明用電子証明書」の中には「マイナンバー」だけでなく「氏名や生年月日」などの個人情報も含まれていません。また、電子証明書の「秘密鍵」はカードから取り出すことはできず、偽造することもできません。「利用者証明用電子証明書」はカードに1個だけなので、「利用者証明用電子証明書」を使うと、匿名のまま1人1アカウントを保証することができます。

最近twitter,facebook,googleなどのアカウント情報を連携させてログイン認証したり、同一人物の証明として使われることが多くなっています。マイナンバーカードの「電子証明書」も簡単に連携させて認証に使えるようになるなら、いろいろ使い道が増えるような気もします。